よく「ストレッチが効いていて」とストレッチ性を売りにしている服を見かけます。
確かにストレッチ性が効いていると着やすくなるからつい手に取ってしまいますよね。
ですが、必ずしもいいことばかりではないことをご存知でしたか。
このストレッチ性について、メリットだけでなくデメリットを知っておかないと洋服選びで損をするかもしれません。
今回はそんな「ストレッチ」についての内容です。
ストレッチ性とは

まず「ストレッチ性=伸縮性に優れている」ということですね。
つまりは「生地が伸び縮みするということ」。
伸び縮みすることで、着用の手助けや動きやすさをフォローしてくれます。
最近は縦にも横にも伸びる「抜群のストレッチ性能」を売りにしているアイテムも多く見かけます。
ではどのようにストレッチ性を持たせているかというと、その多くは生地に「ポリウレタン」を混紡しています。
ゴム系の合成繊維であるポリウレタンを混紡することで伸縮性に富んだ生地を作ることができます。

基本的にはトップスではなく、肌にフィットさせたい「デニム」や「スキニー」、「スラックス」といったパンツのアイテムでよく使用される生地ですね。
例えば、ストレッチスキニーであれば「綿95% ポリウレタン5%」といったようにポリウレタンが数%入っています。このたった数%のポリウレタンがストレッチ性能に大きな影響を与えているのです。
ですが、このストレッチに使用される「ポリウレタン」、実はメリットばかりではないんです。
メリット
まずはストレッチ性能のメリットからお話しします。

やっぱりストレッチ性がある一番のメリットは「着用しやすく動きやすい」こと。
スキニーやデニムでストレッチ生地が使われる理由がよくわかりますね。
動きにくい細身のパンツにストレッチ性を加えることで、窮屈さを極限まで減らし誰にでも履きやすく手に取りやすいパンツに変えています。
そしてストレッチ性は機能面だけでなく、着用したときのシルエットをきれいに見せるメリットもあります。
伸縮性があることで体のラインにフィットし、ダボっとしない細身できれいな足のラインを作ることができます。
デメリット

では、デメリットとはなんなのか。
それは「生地が伸びきって戻らなくなること」これに尽きます。
そしてこれはポリウレタンが入った生地であれば、いつか必ず起きてしまいます。
購入当初はもちろん伸びた部分は縮んで元の大きさに戻ります。
ですが、着用と洗濯を繰り返すうちに徐々に元の大きさに戻らなくなってきます。
そして最終的には、伸縮性がなくなり生地がだるんと伸びきって戻らなくなります。
では、生地が伸びきってしまうことでどういった問題が起きるのか。
まず膝部分がポコっと前に出てくる現象、通称「膝抜け」が起きます。
膝部分は座ったり歩くだけでも負荷がかかってしまう負荷がかかりやすい場所。
そのため一番初めに膝の生地が伸びきってしまうことが多いです。
膝の生地が伸びきってしまうと、立っている時に膝の生地が前に出てしまい非常にみっともない状態になります。
そして、最終的には肌にピタっとフィットしていた太ももの部分がだらんと伸びきってしまい綺麗だったシルエットが崩れてしまいます。

シルエットが崩れてしまった洋服に愛着は沸かないですよね、これは洋服を着用するごとに出てくる味「経年変化」ではなく「経年劣化」になります。
アイロンや洗濯の仕方で、少しは直せますが基本的には伸びてしまった生地を元に戻すことはできません。
MEMO
・最終的にポリウレタン混の生地は伸びきって戻らなくなる
・ポリウレタン混の生地であれば必ず起きる現象
・多少戻すことはできても、完全には元に戻すことができない
→ポリウレタンが入っている生地では、避けられない経年劣化が発生します
じゃあストレッチのある洋服は選ばない方がいいの?
本記事は決してポリウレタンが悪だといっているわけではありません。
ポリウレタンだけに限らず綿や毛の天然素材もいつかは劣化して捨てないといけなくなるのに変わりはないです。
ですがポリウレタンは劣化の速度が他の素材に比べると速いし出方が顕著であると感じます。
もちろんポリウレタンと一言で言っても「劣化が速いものと遅いもの」はありますが、劣化の速度を買う前に知ることは難しいですよね。
ポリウレタン混の洋服は、いつかは必ず劣化して捨てるしかないということを知っておきましょう。
このことを踏まえた上で、洋服を選ぶことが大事です。
私はこのことを知ってから、古着でポリウレタン混のパンツは買わないようにしています。なぜなら古着だと残りの寿命が分からないから。
せっかく洋服を買ったなら長く着たいという思いがあるのと、すぐに生地が伸びてしまったら悲しいじゃないですか。
まとめ
ブランドによっては、「ポリウレタン混のデニム」と「綿100%のデニム」両方をラインナップしていて、お客さんが選べるようにしてあります。
こういう時に動きやすいからと言った理由だけでストレッチ性のある洋服を選ぶのではなく、「履いていく場所」や「価格」「メリットとデメリット」を照らし合わせながら洋服を選べる方がお得な買い方をしている気がしませんか。
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